浄瑠璃寺は京都市の南西方の

奈良県境の近い石仏の里「当尾(とおの)」の

深い山の中にある

そこに二棟の国宝建築と

池泉を中心とする庭園

これは特別名勝(庭園界の国宝)

そしてもう一つ

これも国宝級の豊かな緑の自然環境

三拍子そろった文化財である

甕で育てられた蓮が来訪者を迎えてくれる

 

三重塔(国宝)は平安末期1178年(治承2年)

京都一条大宮から移築されたもの

本堂(国宝)は九体阿弥陀堂とも呼ばれ

庭園が整備された1157年(保元2年)に

池の西側に移築したと考えられている

(下写真)三重塔がある高台から九体阿弥陀堂を見下ろす

この池泉を中心とする庭園は

西に九体阿弥陀堂 東に三重塔を配置した浄土式庭園

建築と庭園 そしてまわりの自然の見事な調和

池泉の池の中央にある中島からつきだす岬と先端の景石が

本堂と三重塔の中間に位置し風景を引きしめている

また景石は堂と塔そしてそれぞれ前にある灯篭と

一直線配置で軸線を構成するデザイン

随所に美へのこだわりが見られる

人間がつくる建築

人間がつくる庭園

それらが少しだけ人が手を加えた自然の中で

強調し合い

美を高めあっている

 

本堂前の灯篭の火袋から正面にある三重塔を見る

本堂―本堂前の灯篭-三重塔の前の灯篭―三重塔が

一直線上に配置されていることがわかる

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