神奈川県立近代美術館の歴史は古く1951(昭和26)年に開館

HPによると日本での最初の公立美術館だそうだ

設計者はル・コルビジェのもとで学んだ坂倉準三だ

1階は人が自由に動き回れるようにピロティにして

2階に中心の用途である展示室を配置する

これはコルビジェが提唱した近代建築の5原則の一つの

「ピロティ」の概念を実現した設計として有名である

上写真は西側外観でここが正面

この写真の右側(南)に大きな池がある

現在は鶴岡八幡宮の参道がある

東側からのアクセスを重視している

 

この建物は近代美術館としての役割は2016年に終え

その後 鶴岡八幡宮に譲渡され

2019年より「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として生まれかわった

2020年には国指定重要文化財に指定される

そして現在の神奈川県立近代美術館は

相模湾に面する葉山の風光明媚な場所に

2003年に開館した葉山館が中心となり

1987年に鎌倉の旧館にほど近い場所につくられた

鎌倉別館と二館体制となっている

 

今回使用する写真は現役の近代美術館として

使われていた2006年5月に撮影したもの

(下写真)南側外観 池側から撮影した写真

1階の外壁はセットバックしているため陰影が濃く暗い

逆に上階の外壁は池の上にオーバーハングしており

しかも1階とは対照的に

壁面を白く明るく仕上げ

水の上に浮遊している感覚を強めている

その姿が池に映り 京都金閣を思わせる光景である

右手の黒っぽい建物は1966年に

坂倉事務所により増築された新館

 

オーバーハングした2階を華奢な鉄骨柱で支え

さらに池の中の自然石の上にのる

しかし実際は柱は石を貫通しその下にあるコンクリート基礎で支えている

(下写真)正面に見えるブルーのガラスは新館

 

 

 

1階をピロティにすることで

南にある池など美しく気持ちよい景観や陽光と

人との関係を近くするということにも

設計意図が注がれていると考えられます

下写真の右半面は中庭

左は池に繋がるピロティ

 

 

中庭を2階から見下ろす

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