奈良庭アトリエひとりごと
春日大社 重森三玲 もう一つの庭
先日紹介した社務所 「北庭ー遣水の庭」
もう一つの庭が「東庭ー三方正面七五三 磐境の庭」
前回ご紹介の遣水の庭より2年さかのぼり
1934年(昭和9年)38歳の作です
当社の説明によりますと
現在のような苔と白砂を斜線で区分する地割は消滅していたため
春日大社に残された三鈴自筆の「作庭記」の記述を参考に
復元したとのこであります
これに関してはこの復元が正しいとは断定できないようです
それでも
最初にこの庭を見た瞬間
先に行くにつれて白砂が拡がっていく
この光景はなかなかいいものだと私は感じます
作庭は東福寺の本坊南庭(1939年43歳のとき)さかのぼること5年です
中央の5石磐座(いわくら)と見立て
5石中4石は横一列に連結させて本社の四祭神を表す
樹木は末社の杉本神社や青榊神社にちなんで杉や榊を使った とのこと
若き三玲氏が創作の よって立つところを探す姿勢を感じ
好感が持てるものであります