琵琶湖の東沿岸地方には

多くの中世名建築が残っている

この地方では戦国時代に

多くの合戦が繰り広げられたが

幸いこれらの密教系の本堂建築は

山の中にひっそりと建てられ

戦乱により焼失ということは免れた

湖東三山の二寺と湖南三山の三寺が

国宝の本堂を有している

湖南三山の常楽寺と長寿寺は

同じ石部町内にあり

常楽寺は西寺 長寿寺は東寺

という地名に建っている

(上)常楽寺は天台宗の古寺で

奈良時代初期に良弁僧正が開創したという

手前の本堂は1360年(延文5)の建立で国宝

桁行7件 梁間6間という大建築である

後ろにある三重塔は1400年(応永7)の建立で国宝

(下)本堂の脇から三重塔を見る

三重塔は本堂と同じ向きではなく

少し本堂よりに向いている

自然形状に逆らわず

フリーハンドな配置となっている

三重塔の地盤レベルから

塔と本堂を見る