今回の見学会は八勝館のいいところの

ほぼ全貌を見ることができる

堀口捨己がかかわった部分と

それ以前の建築で彼が改修を行ったところも含めて

 

その中でも最高峰は御幸の間である

床の間は間口3間、書院を入れると4間、

奥行は1間という大きなものである

格調高い「和」でありながら

当時の、また20世紀初頭の西欧美学の影響が感じられる

日本の構法である真壁造を

木の線材のラインと土壁などがつくりだす面との

構成の美までに高めている

 

下は御幸の間の床の間を正面から見る

土壁の中に木の線材が美しいモビールのように浮かび上がる

面材も下地窓、地袋の扉、書院の建具や机材など

異種の材料で変化をつけバランスがとられている

下写真は

右から下地窓のある棚、床、左端に書院をみる

書院小壁の円型下地窓も変化にとんでいる

桂離宮笑意軒からの本歌取りといわれる

ただし下地の竹小舞の意匠は笑意軒とは異なり

崩しはなく

整然ときっちりとつくられている