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日吉神社の社殿
比叡山の滋賀県側の麓にある日吉神社は
2100年前の崇神天皇7年に創祀されたと伝える
比叡山の神である
天智天皇の大津への遷都の際には
西本宮に奈良三輪山より御神霊を迎え
国家鎮護の神としてまつられたという
平安遷都の際にはこの地が都の表鬼門に
あたることから都を守護神として
また延暦寺が開かれたのちは
天台宗の御法神として崇敬を受けた
このとき最澄の本地垂迹説により
神社建築に仏教建築の様式が取り入れられたとのこと
しかし 1571(元亀2)年織田信長の焼き討ちにより
それまでの歴史ある建造物はすべて灰燼に帰した
そのため現在ある建造物はそれ以降の建立となる
西本宮と東本宮のほか数多くの摂社をもつ大神社である
上は西本宮の楼門
西本宮の建築は楼門 拝殿 本殿とも1586(天正14)年建立
本殿が国宝 多が重文に指定されている
楼門から拝殿 本殿と一直線に配置するため本殿まで見通すことができる
下は楼門から覗く
拝殿の向こうに本殿に飾られた御幣が見える
拝殿は楼門と同じ時期に建立
美しいいプロポーションである
楼門をかすめ本殿を見る
屋根は寺院の本堂建築に似た入母屋風で
鰹木や千木は載せない
後ろ姿が特異で他に例を見ない
左右が縋破風となっている
建築構造的には
桁行3間×梁間2間の母屋に
前と左右に庇がつけた形で
庇がない背面は縋破風となった
この本殿形式は当社しかなく日吉造とよばれる