日本建築ランドスケープ京都庭アトリエひとりごと
平安神宮神苑の心地よい水上の休憩所 泰平閣
平安神宮神苑は神宮の社殿を
取り囲むようにつくられた広大な庭である
明治期の七代目小川治兵衛(植治と呼ぶ)の作
国の名勝に指定されている
春には圧倒的な紅枝垂れ桜が
咲き誇る南神苑を抜け
西神苑や中神苑を経由し
東神苑の栖鳳池に達する
今回あげる泰平閣(橋殿とも呼ばれる)は
その栖鳳池にかかる橋である
「~閣」という言葉は重層を意味する
「~殿」とよばれのは
単なる渡るだけの機能だけではなく
殿としての機能を併せ持つ名称と考えられる
その名のとおり橋の中央には
金閣のように重層となり
宝形造の屋根があり
その頂上には鳳凰を冠している
下の2枚の写真のように紅枝垂れ桜が咲く春には
池と岸の桜を眺めるために
多くの観光客がこの橋に滞留する
下は泰平閣を入り口付近から見る
下は夏季の写真である
両端にベンチを配し
ゆったりと体を休めることができる
池の水面の上につくられた
吹き放し空間で
周辺の景色を全面的に取り込み
さわやかな風が抜ける
特に夏季は池の水に冷やされたさわやかな風が
疲れた身体をやさしく包んでくれる(下写真)