愛知県日本建築ランドスケープアトリエひとりごと
有松絞がつくったまち 有松の街並み
名鉄電車有松駅から出た2階の歩道から南を見ると
東海道方面である
左奥は中濱家住宅の裏を見ている
そこから東海道に入り東に進むと
まず最初に現れるのが中濱家住宅(国登録有形文化財)
母屋と蔵がともに街道に面している
2階は黒く塗られているが格子も含め漆喰で防火措置がとられている
さらに東に進むと服部家住宅(県文化財)が現れる
現在も井桁屋の屋号で有松絞を商っている
この街道沿いに残る古い建物で
屋根にうだつをあげているのは
この服部家と小塚家の二棟
敷地の間口は約45mありこの地域では最大とのこと
左の母屋と蔵は服部家住宅のもの
敷地に余裕があるためか? 倉は「平」を街道側におく
右隣の蔵は服部良也邸の蔵(県文化財)で
街道側に「妻」を見せる
今残る他家の蔵もすべて道側に妻をみせ
服部家の蔵も妻を見せたほうが
町並みとしてはより統一感が得られるのだが・・・
また2階の外壁は黒色の漆喰塗りなっている
服部家のむかえには
大きな二棟の住宅がある
手前は無指定だがその向こうにある白い漆喰塗りの建物は
棚橋家住宅(国登録文化財)である
棚橋家住宅
2階の漆喰は白色である
今度は東海道を折り返して西に進んでみよう
最初に現れるのは竹田家住宅(市文化財)だ
街道正面に見える大きな建物は岡家住宅
ここでは主屋と蔵二棟のほか
さらに書院棟、茶席、西門・長屋門・味噌蔵も含め市文化財に指定
この住居は漆喰は主屋二階も蔵もすべて黒色
木塀の長さが半端ではなく
富の大きさが桁ちがい
さらに歩くと岡家住宅(市文化財)が現れる(下写真)
とにかくこの間口の大きさには驚かされる
向こうに見えるの近代的な壁は
名古屋灌頂2号線の高架の防音壁
都市は歴史の積み重ねの結果であるが
としてもこの古い町並みが
高速道路で断ち切られるのは残念である
正面に建つとその大きさが強調される
軒裏の漆喰の小口が波上にデザインされ
単調さを消している
小塚家住宅(市文化財)まで来ると
高架道路の防音壁はさらに近づく
屋根にはうだつをあげている
この町並みの家屋はデザインが多様である
江戸時代から有松絞が盛んになり
近代も続いた
その時代時代の嗜好が反映して
このような街並みになったということであろうか