奈良薬師寺は昨年

国宝東塔の12年にわたる解体修理を終えた

現在の薬師寺の伽藍は

昭和以降に再建された金堂

西塔や大講堂 それを取り囲む

中門と回廊が完成しており

官寺としての奈良期最盛期の

姿をみることができる

この奈良の地で完成したのは奈良期だが

東塔に関しては

飛鳥時代後期・白鳳時代の

デザインと考えたいところです

これを白鳳文化の象徴と考えれば

天武天皇、持統天皇の夫妻が企てた藤原の宮の

イメージがぐっと近づいてきます

現在は新しい東回廊の外側にある国宝東院堂

東回廊ができる前は東塔の東脇にあり

東塔から東院堂という見学ルートが

大変わかりやすかったが

その間に東回廊が割込み

東院堂は中心伽藍からは見えない

その結果見落とす見学客も出てきそうだ

さらに東院堂と回廊の間がせまく

東院堂にとっては残念な配置となっている

 

もともと東院堂は奈良時代創建で

鎌倉期(1285年)再建

その後諸堂や回廊が消滅した江戸期に

ここに曳家され西向きとなった

下は現在の配置図(チラシにより複写)

下は昭和43年当時の薬師寺チラシに記載された配置図

東塔と東院堂のふたつの国宝建築物は寄り添うように並び

見学には大変都合がよかった

東院堂は国宝の聖観音菩薩像を本尊とし

常時開扉されいつでも拝することができる

白鳳から奈良に時代に唐から

影響を受けてつくられた逸品であるが

ほぼ同じ時代の金堂本尊薬師三尊像とは

雰囲気を異にしており

はつらつとしてみずみずしい

天武 持統天皇の時代を象徴していると思う

右に東院堂 左に回廊の一部を見る

東院堂側から薬師寺の伽藍方面を見る