愛知県日本建築ランドスケープアトリエひとりごと
現在もその当時と伽藍配置と変わらない
一宮 妙興寺 京都五山に劣らない大伽藍
先日一宮市の妙興寺をはじめて訪問した
勅使門が重要文化財に指定されていて
いつか見学したいと思いながら
延び延びになっていたのである
拝観して驚いたことは
京都五山の禅宗寺院に負けない
広大な伽藍（5.6haあるという)を有しており
禅宗寺院独特の一直線状の配置で
南から総門、勅使門、三門、仏殿と並ぶ
しかもそれぞれの規模が五山並みの大きさである
そして周りは深い林に囲まれている
三門は京都五山並みの楼門
裳腰つきの大規模な仏殿 
妙興寺の創立は南北朝期の1348(貞和4)年
尾張の北朝勢力の拠点として隆盛を極め
後光厳天皇の勅願所として
1353(文和2)年「国中無双禅刹」の勅額を賜わる
その額は勅使門(南北朝期、重文)にかかっている
その後室町期には鎌倉五山と同格と列せられ
幕府から特別の待遇を受け尾張随一の巨刹となった
1365(貞治4)年には伽藍は完成したが
現在の建造物は1890(明治3)年の大火と
翌年の大地震で多くが倒壊し失われ
その後に再建されたもの
ただ勅使門のみが創建当時の姿をとどめる
一宮市内と思えないほどの深い林の中の
背面から仏殿とその先に三門を見る 
