滋賀湖東・西明寺は

同じ滋賀県の比叡山延暦寺と同じ天台宗である

密教が盛んになった平安期以降

山中に多くの密教寺院がつくられる

湖東三山は鈴鹿山系の山中に位置し

北から西明寺、金剛輪寺、百済寺はともに

天台密教寺院である

その中で自然の美を背景として

人の手によりつくられた建築が

最もいきいきと美しく輝くのは西明寺である

中世以前にさかのぼる文献がなく古くはわからない

建物から考えれば国宝本堂は鎌倉前期に

鎌倉後期に国宝三重塔が

そして重要文化財の二天門は室町期の1407年に建立された

 

山中の長い参道は

途中名神高速道路をまたぎ

さらに上ると現れる二天門

そして二天門の前に建つと本堂の屋根が見えてくる

 

そして上がりきり

二天門をくぐると程よい広さの空が開け

本堂、三重塔が現れる

この境内は自然の美しさに負けじと

人があらゆる知恵と感性を

ふり絞ってつくった建築との

美の競演である

三重塔は搭身の太さが程よく

どっしりと安定感があり

屋根部分と相輪のプロポーションもよく

私は最も美しい三重塔と思っている