法然院は京都東山の鹿ヶ谷の

濃い緑の中にひっそりと佇んでいる

起源は法然院はその名の通り

法然上人が弟子とともに専修念仏を唱えた草庵

その後 江戸初期に知恩院の和尚が

法然ゆかりのこの地を念仏道場として

現在の伽藍の基礎を築いたと

 

参道をすすむと深い緑の中に建つ山門が迎えてくれる

その田舎家のような茅葺と

その上の棟押さえからなる深い屋根は

この周りの環境の中で何ともいえぬ素朴さを感じさせる

どっしりと重そうな茅葺屋根が下部の柱や壁から離れて

浮いているような屋根の姿

これは日本の歴史的な門に多く見られる

今は存在しない法然の草庵を暗示しているようにも感じる

 

山門の天井を見る

文化財には指定されてはいないようだが

構造としてはシンプルで美しくまとめられている

 

山門をくぐると現れる左右二つの白砂壇(びゃくさだん)が

参道をはさんでいる

その間を通ることは

「心身を清めて浄域に入ことを意味している」と

法然院のHPで御住職も語っておられるが

この間を通ることで厳粛で敬虔な心が芽生えるよに感じられる

建築言語でよくいわれる「結界」としての働きを持っている

この砂壇の模様は時々変えられるようだ

境内の中では絨毯のような苔の庭も見られる

 

山門の近くには池泉もあり

相まって美しい景観をつくっている

 

小雨が降り始め

石畳にうっすらと水の膜ができ光りはじめる

帰り道 改めて白砂壇を見返す

なお一層深い静けさが漂う

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