岡崎市にある禅宗寺院天恩寺は

足利初代将軍尊氏がこの地での戦勝の恩に報いるように

一寺を建立するよう遺言して他界した後

貞治元年(1362年)に三代将軍義満が

遺命を奉じて創立した寺院という

山際のわずかの平地を

崩れの石積みで拡げて敷地としている

さらに石積みの下には池泉をつくり

池には石橋をかけて禅宗寺院らしい修景をしている

禅僧が宗教的な修養を兼ねてつくったものであろうか

現在はこの崩れの石積みの上に

仏殿と山門が残されて

ともに重要文化財に指定されている

仏殿は室町前期の建築とされており

創立の1362年以来 石積みから始めて

その後仏殿も建立されたのであろう

大変均整がとれた美しい仏殿である

山門は木組みに多くの装飾があり室町後期の作とされる

山門は仏殿に入るため門ではなく

仏殿の真横にあり他の堂に入る門となっている

仏殿と山門を横に並べた意図は?

修景された崩れの石積みとその周辺の庭と

そこにさらに仏殿、三門を含めて

一つの世界を創作したのではないだろうか

下写真は参道をすすみ最初に現れる姿

池泉と石橋と崩れの石積みの上に仏殿をみる

これは意図してつくられた世界と感じられる

(下)境内の高さまで上がり仏殿と山門を見る

山の樹々を背景にした建築と

石積みや池泉がともに調和し美しい景色をつくっている

 

仏殿と並ぶ山門

仏殿は均整がとれた大変美しい堂である

 

仏殿と山門の近景

二棟並べることで歴史の重みを感じさせる場となる

二棟を内側から見る

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