今回は天然図画亭の茶室を紹介します

藤村庸軒が1600年代の末頃につくった といわれる

庭園は国指定名勝であるが

この建築は県指定の重要文化財である

手前座と客座を分ける仕切りが

ユニークで美しいプロポーションで構成されています

中央の一本の自然の丸太と

上部の荒目の縦格子

そして床に接して5寸ほどの高さの目隠板などが

非常によく考えられていると思います

隠すべきところ

見通しを効かせるところ

そして窮屈な空間にならないような配慮

等を感じます

 

手前座に座った状態の見え方

当亭のチラシによると

下の目隠し板は

道具を見せびらかさない謙虚な気持ちを

表していると書かれています

作法の手元を隠すことは

亭主にとっても安心感があり

緊張感を和らげることにもなりそうです

最後に今回初めて知ったことですが

琵琶湖側の外壁の上部には

板蔀の仕掛けがある

これを床まで下げると舟に乗っている気分を演出するということです

このアイデアは秀吉の御座船にヒントを得たとか(チラシによる)

それならばこの板蔀を下ろしてみましょうと言ってみましたが

家主の方が しばらく使ってないので

今下げると壊れてしまう、とストップがかかりました

残念でした

下写真の上部小壁の右側に収納されたのが板蔀

滑り降りるための溝も見える

外観で板蔀を見る