日本建築庭アトリエひとりごと
岡山 後楽園の流店
今日岡山の大名庭園 後楽園の流店の話です
後楽園庭園は
岡山藩主池田綱政が1687年に着手し
80年余り後の1771年ころには完成したといわれる
何代かの藩主がかかわり この建物も江戸後期ということらしい
言ってみればちょっと大きい四阿(あずまや、休憩所)
建物としていくつかのユニークな点があり
まず第1は
四阿でありながら2階がついている
眺望を兼ねたのであろうか
しかし1階には階段は見当たらないが
1階の天井にある穴に階段をセットして上がったか?
第2に建物の中に水の流れがあること
まるで足湯のようだ(冷たい常温の水ですが)
お殿様の強い要望に応えて
大工などの建築関係者が知恵を絞ってつくったことであろう
古代より曲水の宴を行う遣水では流れの脇に四阿を置いて
そこで詩歌をつくり競った
その習慣を意識しているかもしれない?
最後に二階の雨戸を見ると
戸袋が壁から突き出て
壁を少なくして開放感を増す工夫がみられる
(下)1階はほとんど壁はない
2階の展望室は雨戸を戸袋に収納すれば
非常に開放的
(下)建物北側は少々の壁があり
ここにも雨戸の戸袋がある
(下)足湯にでも使えそうなデザインである