彫刻愛知県アトリエひとりごと
岡崎・滝山寺の今旬なお話 源頼朝等身大の仏像
今日紹介するのは
滝山寺に伝わる
運慶、湛慶親子作の三尊像(重文)
聖観音立像を本尊とし
梵天、帝釈天を脇侍とする三尊像
本尊は数年前に開かれた
東京国立博物館での運慶展でも出品された
上写真は当寺の絵ハガキの複写で
三尊とも同じ大きさになっているが
実際は中央の本尊は等身大
脇時はその3/5くらいの大きさである
滝山寺縁起によれば
この三尊像が伝わった惣持禅院は
源頼朝の三回忌供養のため1201年に
僧寛伝が滝山寺の中に建立した寺院であること
そのとき頼朝等身大の聖観音像をつくり
像内に頼朝の歯と鬢を納めたこと
また作者が運慶と湛慶親子であることなどが書かれている
X線写真で調べて頭内部に
納入品があることも確認できているそうだ
もう一つサプライズな事実がある
惣持禅院を造った僧寛伝は
熱田神宮の宮司である範忠の子である
その範忠と兄妹の女子と源義朝の間の子が頼朝である
つまり頼朝と僧寛伝は従妹の関係にある
その血縁の深さが頼朝の歯などを
入手できた所以である
下は当寺発行の略縁起チラシから複写の本尊像