滋賀日本建築アトリエひとりごと
石山寺伽藍は天然奇岩などの自然と拮抗しながらも調和している
石山寺は奇岩を中心に
それを囲むように堂塔が配置されている
奇岩は珪灰石という岩石で天然記念物
創建は奈良時代
大仏殿を建立する際の
用材集積の役所がここに設けられと
東大寺と同時に石山寺が拡張され
奈良時代の760年ころには
仏堂などあったことが確かめられている
指揮にあたったのは造東大寺司の良弁であった
この珪灰石の上の高い位置に国宝多宝塔をおき
向かって左側に本堂
右側に鐘楼や御影堂を配置する
この自然の岩群と建築の組み合わせは
のちの水墨山水画に通じるセンスを感じる
これは日本人の
人工の創造物を自然の中に調和させる感性である
しかも塔を高く遠い位置に置くことで遠近法が生まれる
それも水墨山水画的である
珪灰石上部から境内を見下ろす
右は蓮如堂(重文)
左は毘沙門堂(県指定文化財)
国宝本堂は内陣は平安時代中期につくられ
その後 本堂の前に礼堂がつくられ
現在の礼堂は淀君の寄進によるもの