岐阜街並み日本建築アトリエひとりごと
その左側には囲炉裏のある台所など住居部分がある
あたかも室礼(パーティション)だ
それにその上の空間は一続きの吹き抜け空間である
高山 吉島邸を見る
久々に高山で吉島邸や日下部邸を見学
吉島邸は1788年初代重兵衛が高山に出て
代々酒屋を営んだという
玄関軒先につるした杉玉は
酒神をまつる三輪神社のもの
現在の建築は明治38(1905)年の火災後に
再建されたものだが
江戸時代の技法でつくられているという
実はこの地ではその30年前の明治8(1875)年にも
大火が起こり1,032戸が焼失した
そのときは隣の日下部邸も焼失しているが
現在の日下部邸はそのあと再建されたものである
吉島邸ではその30年後にも再び火災をおこし
現在のたてものはその後に再建されたものである
明治40年(1907年)に着工と建前を行っている
住居は東道路に面し東向きである
正面の大きな土壁より手前は土間と見世(店)のための室群と
その左側には囲炉裏のある台所など住居部分がある
見世部分のあの大きな吹き抜け空間
屋根を支える垂木までの大空間が
柱と梁にさえぎられながらもしっかりと把握できる
ハイサイド窓から入る光が要所を照らしている
そして鴨居にはめ込まれた様々な建具は
あたかも室礼(パーティション)だ
下は台所空間から
見世群の空間を見る
見世空間群と台所空間群は
簡易な壁や建具で仕切られているが
紙障子や格子などで店の気配を知ることができるし
それにその上の空間は一続きの吹き抜け空間である