ヴォーリズ滋賀日本建築アトリエひとりごと
近江八幡のヴォ―リズ建築
ウイルアム・メリル・ヴォ―リズはアメリカ人宣教師
1905年近江八幡市の英語教師として来日するが
キリスト教の伝道活動をしたため教職を解かれる
その後YMCA会館の工事監督の仕事を得、
一人で建築設計事務所を創業
その後アメリカ人の建築技師を迎えて本格的に設計業を行う
また同時にキリスト教の伝道もおこない
近江ミッション(後の近江兄弟社)をおこす
1920年には建築部門のヴォーリズ建築事務所と
メンソレータムを扱う輸入販売部門とに再編される
「彼のつくる建築は作家的個性の表現ではなく
キリスト教精神を根底としたヒューマニズムの発露だ」と
弟子の山形政昭氏は語っている
先日彼の近江八幡市にある住宅「旧忠田邸」を見学
現在は地元の菓子メーカーが所有し
有料で内部の見学が可能である
健康的で快適な住宅である
向かって右手がカフェ 左が旧忠田邸
外観は奇をてらうところがなく
人に媚びることのない正直なデザインである
この家の中心的な居間である
南の光をたっぷりと受け快適な空間で
細部まできちっとつくりこまれている
今のマントルピースらしきもの
暖炉ではないが美しいデザインである
居間の外の庭づくり
ブドウ(?)の棚の配置がうまい
ちょっとした空間の結界にもなるが
空間を阻害することはなさそうだ
食事室は2階にある
東南の角に配置し
気持ちよいたっぷりとした陽光で楽しめる空間である
2階にある和室
棚のデザインはヴォ―リズ氏自身の解釈によるものであろう
それなりに面白い
障子や床の間は日本の和室そのものである
下の写真は
各室のカーテンレールの端部の納まり
合理的な考え方が排除してきた装飾が
気持ちよい豊かさを発出している