奈良日本建築ランドスケープ環境・景観アトリエひとりごと
談山神社 木造十三重塔のユニークな造形
談山神社は飛鳥宮遺跡の東方の山中にある
645年大化の改新の直前
中大兄皇子と中臣(のちに藤原)鎌足が
蘇我入鹿を暗殺する乙巳(いっし)の変が起こる
飛鳥寺の蹴鞠の会で出会った二人が
入鹿暗殺の密談をしたのがこの場所
「談山」の意味は二人が密談を
行った山という意味らしい
意外と単刀直入な名づけかたでおもしろい
のちにここに鎌足の子が鎌足の墓を当地に移し
十三重塔などを建立して寺を創設
その後鎌足を祀る神社とした
現在の木造の塔は1532年の再建
ただこの塔が最初から木造であったかは資料がない
わが国でも唯一の木造十三重塔で
重要文化財の指定を受けている
(下)境内の下から見上げる
手前の建築は神廟拝所
十三重塔を拝する位置関係となっている
(下)近景
初重の屋根のみ大きくし
二重より上の屋根は一定の逓減率で縮小していく
二重以上の屋根の重なりは密だが
初重で大きく扱ったことと
間を大きく取ったことでバランスをとっている
(下)初重を大きく扱うことで
美しいプロポーションとなる
相輪の高さと塔身の高さのバランスもよい