ランドスケープ京都環境・景観庭アトリエひとりごと
京都 梅小路公園内の朱雀の庭 見学記
梅小路公園はJR京都駅の西に位置し
JR山陰線に沿ってある
京都の建都1200年記念事業の一環として
もとのJR操車場の広大な跡地に
1995(平成7)年整備された
この公園へのアクセスために
「梅小路京都西駅」が新設された
設計者によると
「森の創出と新しい町衆文化の発揚」
を基本理念としたという
市民の憩いの場となる公園部と
ビオトープの森そして庭園「朱雀の庭」の
三ゾーンからなる
朱雀の庭は「長い歴史で培った
京都の作庭技術の粋を結集して
伝統と創生の調和を目指して作庭された」と
公的なチラシに記載される
下は朱雀の庭の入り口
朱雀の庭にはいると
まずは現代的なデザインの水鏡の庭が迎えてくれる
黒御影石でつくられた水槽には
わずか1㎝深さの水をはり水鏡をつくる
その水面が段々畑状に連なり
連続した小滝により心地よい音が生まれている
公的チラシによると百日紅の花びらが
散らばる景色をつくる花床が
水鏡に浮かび上がるとのこと
さらに進むと自然景観的な渓流となり
深山の風情にかわっていく
やがて大きなな滝が現れる
滝の落差は6mあり市内の滝としては最大とのこと
水の量もさることながらその落水音が大きく
豊かな木々に包囲され大変気持ちよい空間をつくっている
さらに進むと視界が広がり
眼前に野筋を伴った遣水が現れる
平安時代には遣水が多くつくられ
「曲水の宴」が盛んにおこなわれた
野筋を下から見上げる
独特の風景をつくっている
出入り口付近には
精妙なデザインの穂垣がつくられている
節の位置が合わせられ
つくった職人の心意気が伝わる
あの桂離宮にもある手法だが
そこでは穂が水平に並べられている
この橋を渡ると向こうには
ビオトープの「いのちの森」がある