伊奈冨(いのう)神社庭園は三重県鈴鹿市にある

ほぼ長方形平面の池の中に七つの島があり

七島池(ななしまいけ)と呼ばれ

三重県の名勝に指定されている

この神社の主祭神は「保食神大国道命

(うけもちのかみ おおくにみちのみこと)」

一切の食物をつかさどり

人間の命の根源である稲の生産豊穣を

守護する神とのこと

平成27(2015)~令和4(2022)年の調査で

もともとこの地は

山裾の自然の沼地であり

そこを掘り下げて池をつくり

掘り上げた土を島として

積み上げたことが分かった

その時代は平安時代と推定されている

 

下の写真は参道とその左にある七島池を見る

これを島がある池と見るか

庭とみるかは微妙であるが

それなりに興味深い景観をつくっている

そのことが古代から庭と認識され

県の名勝に指定された所以でもありましょう

(以下三枚の写真)

池の中に大小の丸い島が7ある

前述したように

この池は山裾にあった沼地から土を掘り上げ

その土を盛り上げたところが島になったことが

発掘調査でわかっている

そのため島は池全体にバランスよく点在している

 

この池の山側の反対側(下写真、写真向かって左側)

一面に水田が広がる稲作地帯である

この池は常に水が湧き出る泉であり

稲作にとっても人間の生命維持にとっても

大切な生命線である

この泉に敬意を払って

この場所に神社をつくり

稲の生産豊穣を守護する神を

まつることは自然の道理である

 

下は本殿の正面にある石造の太鼓橋

文化財にしてされているわけではないが

極端に円弧形が強くユニークな石橋である

 

太鼓橋の正面にある本殿