岡山後楽園には大変ユニークな

流店というあずまや建築がある

前回お話しした平安神宮神苑の泰平閣のように

特に夏季には大変心地よい休憩施設となる

ここも四周には壁はなく

柱だけで2階や屋根を支える

吹き放し構造である

ただ1、2階とも雨戸があり

それを収納する戸袋だけが

開放性を減じないように配慮して

壁となっている

特に2階の戸袋は 窓の開放性を重視し

下の写真のように

後方の壁から突き出ている

という妙な姿である

そこまでして開放性を高める

という工匠のこだわりを感じます

ここでは前回取り上げた平安神宮の泰平閣では

あずまやが水の上に浮いていたが

ここでは建物内部に水の流れ(遣水といってよいか?)

が引き込まれている

1階は雨戸もすべて戸袋に収納され

見学客が自由に休憩をとれる

遠くまで見通しのきく広い後楽園の眺望を

ゆっくりと楽しみながら

また、涼し気な水の流れ音を聞きながら

遣水の水で温度調節された風が吹き抜けるなかで

心地よさを満喫することができる

流れに向かい合って床に座って

足湯ならぬ足水で疲れをいやすこともできなくはない

ここで詩歌を読み競う

曲水の宴がされたのであろうか

創建された江戸期には

そんなこともあったかもしれない