愛知県日本建築ランドスケープアトリエひとりごと
妙興寺 唯一の創建時の遺産 勅使門
妙興寺の敷地の中には
昭和の時代に一宮市博物館が建てられた
場所は三門と勅使門の西方(写真では右手)である
設計者は内井昭蔵(1933-2002年)である
館には妙興寺伽藍の配置模型がある
南北に一直線上に並ぶ中心伽藍
下の模型写真は北から南に向いて見ている
手前から仏殿、三門、その先の二つの小さな門が
手前から勅使門と総門である
また手前の右手にある庭を囲む場所には
方丈(客殿)や開山堂、庫裏がある
勅使門(国指定要文化財)は
1366(貞治5)年の建立と伝えられる
下の写真では
1353(文和2)年に後光厳天皇から賜った
「国中無双禅刹」の額の下部が見える
門の形は
屋根を支える二本の門柱の
前後に二本ずつ計四本の
控え柱をもつ四脚門
屋根は現在桟瓦葺で簡素であるが
桟瓦が使われ始めたのが江戸期以降なので
後世に改修されたと考えられる
創建時は檜皮葺や杮葺か
または本瓦葺かもしれない
この佇まいだと檜皮(ひわだ)や杮(こけら)のほうが
イメージが合うのではないだろうか
火災を心配して桟瓦に変えたのかもしれない
下は門の妻部(側面)上部を見る
禅宗様の様式でつくられている
貫の先端や組物の肘木(ひじき)端部の彫刻は木鼻とよばれ
最も禅宗様らしい装飾である